Another Sky
チェルノブイリにある遊園地に興味を持った。それは一度も開園することなく、廃墟になってしまった。遊園地を「夢の国」と呼ぶことがあるが、立ち入り制限区域となってしまった今、この遊園地で遊ぶこと自体が夢のままとなってしまったのである。人は見えないものに殺され、町から人が消え、人工物は朽ちていった一方、あらゆる植物や動物は汚染されながらも繁栄しており、そこは動植物たちにとってのユートピアと呼ばれるまでになっていた。 その地で起きたことも、街の廃墟も、ユートピアも、かつて遊園地が存在するくらいの人口であったことも、知れば知るほど私にとって全て現実味のないことのように思えた。 現実、虚構、現実のような夢、夢のような現実が交錯し、私の中で見分けがつかないくらい混乱する不気味な感覚になったからだ。 いろんなものが錆びて朽ちていく一方、自然が生き生きと美しくなっていく。 同じ地で二つのベクトルが同時に存在しているのが不思議だった。 そのベクトルが逆に互いに交わろうしたらどうか。そうすれば新しい世界ようなものができるのではないかと思った。 人工物と自然、現実と虚構という、白黒はっきりとしたコントラストがあるよりもむしろ白と黒の絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜたような世界。それがその感覚に近いかもしれないと思う。 廃墟、コントラスト、生きること、死ぬこと、朽ちていくこと、人体、変異する生態系、人工物と自然、楽園、自然淘汰、、、、既存のイメージと私自身の祈りをコラージュのように組み合わせて新しいイメージを構築していき、立体のドローイングとして表す。